■2007年都市競争力、トップ3は香港、深セン、上海
中国社会科学院はこのほど、「2007年都市競争力青書」を発表、中国の200都市(地級以上)の総合競争力が示された。トップ10入りした都市は順に、香港、深セン、上海、北京、広州、台北、無錫、蘇州、佛山、澳門(マカオ)。 「青書」では、市場規模、経済成長、生産効率、資源節約、経済構造、生活水準の6方面から、200都市の2007年総合競争力に対して、客観的データによる定量分析が行われた。 「青書」での都市競争力比較により、中国大陸部と香港・澳門・台湾地域には、異なった特徴と情勢が見られることが判明した。台湾地区の一部都市は2005年に比べ、疲弊状態を呈しており、2006年の競争力ランキングは著しく落ちた。浙江省の都市の競争力はやや下がった。渤海周囲都市の競争力は目立って上昇している。 「青書」ではまた、都市ブランドの形成方法に対する実例研究も行われた。これによると、ブランド化効果が得られた都市は以下の17都市。 ビジネスブランド:香港、紹興、南京、南昌、厦門(アモイ) ・旅行ブランド:杭州、寧波、深セン、上海 ・暮らしブランド:威海、成都、南通、珠海 ・原産地ブランド:北京、青島、泉州、重慶
■上海市場、3100Pの大台を初突破26日
26日の上海・深セン両証券取引所の株価指数は緩やかな上昇傾向を維持し、6日連続の陽線(終値が始値より高いこと)を実現した。上海総合指数の終値は3122.81ポイントで、初めて3100ポイントの大台に乗った。深セン成分指数の終値は8628.75ポイントで、前営業日より1.64%値上がりした。 一日の取引高は、上海が1107億8400万元、深センが580億3200万元で、いずれも前営業日よりわずかに増加した。
■今年の農業支援支出は3917億元財政部
中国財政部の「財政農業支援管理年」の活動が26日からスタートした。財政部門は2007年、農業支援資金管理の規範化と強化にさらに力を入れていく。 財政部農業司の趙鳴驥司長は「これは農業支援資金の安定確保に効果があり、資金利用効果をさらに高める」と述べた。 中央財政は今年、「三農問題」(農業、農民、農村)解決のための財政支出を、前年より520億元多い3917億元とする。
■山西、石炭の持続可能な発展目指し基金スタート
山西省政府はこのほど「山西省の石炭の持続可能な発展に向けた基金の徴収管理弁法」を可決・公布した。同弁法の規定によると、今後、同省の行政区域内で石炭採掘に従事する機関及び個人はすべて、採掘を行った当日に採掘地の地税主管部門に対し基金への納金を義務づけられる。未納金の石炭を買い付ける機関や個人は、それらに代わって納金する義務を負う。こうしたことは、同省石炭工業の持続可能な発展に向けたテスト作業が本格的に始動したことを示すものだ。 山西省は国内きっての石炭産地で、石炭資源の無計画な採掘、利用水準の低さ、環境汚染などが深刻な問題になっていた。昨年4月には国務院が同省を石炭工業の持続可能な発展政策のテスト地域に決定し、石炭採掘と生態環境保護を両立させる補償メカニズムを構築した。今回の基金スタートはこうした政策の具体的な現れだ。
水曜日, 3月 28, 2007
中国で債権処理

中国法における「債権」の概念
-------------------------------------------------------------------------------- 外国企業及び外商投資企業にとって、中国国内における債権管理及び回収はしばしば直面する問題であり、各国の法律制度の違いから「債権」の概念に対しても一定の差異が存在します。このため、まず初めに中国法における債権概念に関する規定を理解する必要があります。
「中華人民共和国民法通則」第84条は次のように規定しています。
1.債権は、契約の約定に基づき、または法律の規定に基づき、当事者間に生ずる特定の権利及び義務関係である。権利を有する者が債権者であり、義務を負う者が債務者である。
2.債権者は、契約の約定に基づき、または法律の規定に基づいて、義務を履行するよう、債務者に要求する権利を有する。
また、「中華人民共和国民法通則」第5章(民事権利)第2節(債権)での債権の種類についての記述は、次のものを含んでいます。
1.契約の債権(第85条)2.不当利得(第92条)3.事務管理(第93条)
ここから、中国法において債権と言われるものは、債権者が債務者に対して義務の履行を要求する権利であり、それは契約の約定に従いまたは法律の規定によって発生する、と考えられます。
日常的な経済活動においては、契約によって債権債務関係を形成するのが債権形成の主要な原因となっています。「債権管理回収」とは、一般的に「契約によって形成された債権の管理及び回収」をいい、よって本稿では主として契約をめぐる債権の管理回収について説明を行います。
外国の会社、企業その他経済組織または個人についていえば、中国企業との経済活動の過程において、契約の約定によって発生した債権債務関係には、中国法、国際条例若しくは慣例の規定により、または当事者間の約定により、中国法を適用することができます。このため、発生した債権の回収事案に関しても、中国法の規定を適用することができます。
外商投資企業についていえば、中国法によって設立されたものは中国法人であるので、中国内資企業との間の経済交流の過程においては、契約の約定によって発生した債権債務関係は一般的に中国法の規定が適用されます。同様に、これによって発生した債権回収問題についても、中国法の規定を適用しなければなりません。
「中華人民共和国民法通則」以外にも、「中華人民共和国契約法」において売買契約、技術契約、請負契約を含む総計15種類の契約類型に対して比較的詳細な規定が設けられています。同時に、「中華人民共和国民事訴訟法」「中華人民共和国仲裁法」等の法律も債権回収に係る訴訟及び仲裁手続に対して明確な規定をしています。
このため、外国の会社、企業その他経済組織または個人及び外商投資企業は、その中国国内において享有する債権について、中国法の規定によって管理回収をすることができ、充分な法的保障を受けることができます。
-------------------------------------------------------------------------------- 外国企業及び外商投資企業にとって、中国国内における債権管理及び回収はしばしば直面する問題であり、各国の法律制度の違いから「債権」の概念に対しても一定の差異が存在します。このため、まず初めに中国法における債権概念に関する規定を理解する必要があります。
「中華人民共和国民法通則」第84条は次のように規定しています。
1.債権は、契約の約定に基づき、または法律の規定に基づき、当事者間に生ずる特定の権利及び義務関係である。権利を有する者が債権者であり、義務を負う者が債務者である。
2.債権者は、契約の約定に基づき、または法律の規定に基づいて、義務を履行するよう、債務者に要求する権利を有する。
また、「中華人民共和国民法通則」第5章(民事権利)第2節(債権)での債権の種類についての記述は、次のものを含んでいます。
1.契約の債権(第85条)2.不当利得(第92条)3.事務管理(第93条)
ここから、中国法において債権と言われるものは、債権者が債務者に対して義務の履行を要求する権利であり、それは契約の約定に従いまたは法律の規定によって発生する、と考えられます。
日常的な経済活動においては、契約によって債権債務関係を形成するのが債権形成の主要な原因となっています。「債権管理回収」とは、一般的に「契約によって形成された債権の管理及び回収」をいい、よって本稿では主として契約をめぐる債権の管理回収について説明を行います。
外国の会社、企業その他経済組織または個人についていえば、中国企業との経済活動の過程において、契約の約定によって発生した債権債務関係には、中国法、国際条例若しくは慣例の規定により、または当事者間の約定により、中国法を適用することができます。このため、発生した債権の回収事案に関しても、中国法の規定を適用することができます。
外商投資企業についていえば、中国法によって設立されたものは中国法人であるので、中国内資企業との間の経済交流の過程においては、契約の約定によって発生した債権債務関係は一般的に中国法の規定が適用されます。同様に、これによって発生した債権回収問題についても、中国法の規定を適用しなければなりません。
「中華人民共和国民法通則」以外にも、「中華人民共和国契約法」において売買契約、技術契約、請負契約を含む総計15種類の契約類型に対して比較的詳細な規定が設けられています。同時に、「中華人民共和国民事訴訟法」「中華人民共和国仲裁法」等の法律も債権回収に係る訴訟及び仲裁手続に対して明確な規定をしています。
このため、外国の会社、企業その他経済組織または個人及び外商投資企業は、その中国国内において享有する債権について、中国法の規定によって管理回収をすることができ、充分な法的保障を受けることができます。
債権管理―取引相手の選択
-------------------------------------------------------------------------------- 取引相手の選択は、債権管理の最も基本的なものの一つであり、その主たる作用は不良債権の発生を未然に防止することにあります。そのため、取引相手に対して資産信用調査及び分析を行わなければなりません。
取引相手が上場企業である場合には、中国法の規定に基づき、全ての重要な情報を一般に向けて公開しなければなりません。このためそのホームページまたは指定された専用ウェブページを通して相手方の情報資料を調査することができます。取引相手が非上場企業である場合には、資産信用調査は相手方の営業許可証の検査、工商登記資料の検査・閲覧を通して行うことができます。
一般的には、資産信用調査は主として次の3点に分けられます。
1.相手方の法的地位の確認
中国の現行の法律・法規に基づき、経済活動の主体は基本的に法人(「企業法人営業許可証」を受領してるもの)、非法人経済組織(「営業許可証」を受領しているもの)及び自然人(個人独資、個人パートナーシップを含み、「営業許可証」を受領しているもの)に分類することができます。
「企業法人営業許可証」を受領している経済主体は、自らの資産をもって独立して民事法律責任を負うことができますが、「営業許可証」を受領している経済主体は民事法律責任を独立で負うことはできません。このため、相手方の法的地位を明らかにすることによってはじめて、誰が責任を負うのか、その責任は有限責任なのか、それとも無限責任なのか、どれだけの責任を負うことができるのかが明確となります。
同時に注意すべき点として企業法人の責任、法定代表者個人の責任及び出資者の責任の間の相違が挙げられます。法定代表者の職務履行行為から発生した法律責任は企業法人によって担われるべきであり、法定代表者の職務履行と無関係の個人的行為によって発生した法的責任は企業法人に担わせることはできません。
会社制度のもとでは、会社は自らの財産をもって対外的に独立して債務を負わなければならず、出資者は出資した額を限度として会社に対して責任を負います。例えば、A会社の登録資本が50万元であり、債務が100万元であって、出資者であるB及びCがすでに完全に出資義務を履行している場合においては、債権者は出資者であるB及びCに対してAに代わって債務を弁済するよう要求することはできません。
2.相手方の経営状況の調査
取引相手の工商登記資料には、通常、年度検査資料が含まれます。この年度検査資料の分析に基づき、相手方の収益力、資産における負債の比率、対外投資情況及びキャッシュフロー等の重要な情報を理解することができます。
ただし、次の点に注意する必要があります。
年度検査資料の作成には一定の時間が必要ですので、年度検査資料は次年度の7月から8月になって初めて入手することができます。このため、2005年の7、8月に工商行政管理部門で取引相手の資料を検査・閲覧する場合、2004年度の年度検査資料しか検査・閲覧できません。
年度検査資料を検査・閲覧するときは、通常、弁護士を通して行わなければなりません。年度検査資料中のデータは、必ずしも正確ではない可能性があるので、参考として使用できるにとどまります。
3.その他の状況の把握
工商登記資料の調査を通して、取引相手の出資者構成及び出資比率、組織構造、政策決定機構等の重要な情報を把握することができます。
上記の初期調査を通して、取引相手の資産信用状況の基本的な情報を把握し、取引関係を築く際の重要な参考依拠とすることができます。このため、事前の資産信用調査は債権管理における最初の、そして欠くことのできない一段階であるといえます。
-------------------------------------------------------------------------------- 取引相手の選択は、債権管理の最も基本的なものの一つであり、その主たる作用は不良債権の発生を未然に防止することにあります。そのため、取引相手に対して資産信用調査及び分析を行わなければなりません。
取引相手が上場企業である場合には、中国法の規定に基づき、全ての重要な情報を一般に向けて公開しなければなりません。このためそのホームページまたは指定された専用ウェブページを通して相手方の情報資料を調査することができます。取引相手が非上場企業である場合には、資産信用調査は相手方の営業許可証の検査、工商登記資料の検査・閲覧を通して行うことができます。
一般的には、資産信用調査は主として次の3点に分けられます。
1.相手方の法的地位の確認
中国の現行の法律・法規に基づき、経済活動の主体は基本的に法人(「企業法人営業許可証」を受領してるもの)、非法人経済組織(「営業許可証」を受領しているもの)及び自然人(個人独資、個人パートナーシップを含み、「営業許可証」を受領しているもの)に分類することができます。
「企業法人営業許可証」を受領している経済主体は、自らの資産をもって独立して民事法律責任を負うことができますが、「営業許可証」を受領している経済主体は民事法律責任を独立で負うことはできません。このため、相手方の法的地位を明らかにすることによってはじめて、誰が責任を負うのか、その責任は有限責任なのか、それとも無限責任なのか、どれだけの責任を負うことができるのかが明確となります。
同時に注意すべき点として企業法人の責任、法定代表者個人の責任及び出資者の責任の間の相違が挙げられます。法定代表者の職務履行行為から発生した法律責任は企業法人によって担われるべきであり、法定代表者の職務履行と無関係の個人的行為によって発生した法的責任は企業法人に担わせることはできません。
会社制度のもとでは、会社は自らの財産をもって対外的に独立して債務を負わなければならず、出資者は出資した額を限度として会社に対して責任を負います。例えば、A会社の登録資本が50万元であり、債務が100万元であって、出資者であるB及びCがすでに完全に出資義務を履行している場合においては、債権者は出資者であるB及びCに対してAに代わって債務を弁済するよう要求することはできません。
2.相手方の経営状況の調査
取引相手の工商登記資料には、通常、年度検査資料が含まれます。この年度検査資料の分析に基づき、相手方の収益力、資産における負債の比率、対外投資情況及びキャッシュフロー等の重要な情報を理解することができます。
ただし、次の点に注意する必要があります。
年度検査資料の作成には一定の時間が必要ですので、年度検査資料は次年度の7月から8月になって初めて入手することができます。このため、2005年の7、8月に工商行政管理部門で取引相手の資料を検査・閲覧する場合、2004年度の年度検査資料しか検査・閲覧できません。
年度検査資料を検査・閲覧するときは、通常、弁護士を通して行わなければなりません。年度検査資料中のデータは、必ずしも正確ではない可能性があるので、参考として使用できるにとどまります。
3.その他の状況の把握
工商登記資料の調査を通して、取引相手の出資者構成及び出資比率、組織構造、政策決定機構等の重要な情報を把握することができます。
上記の初期調査を通して、取引相手の資産信用状況の基本的な情報を把握し、取引関係を築く際の重要な参考依拠とすることができます。このため、事前の資産信用調査は債権管理における最初の、そして欠くことのできない一段階であるといえます。
契約の締結
-------------------------------------------------------------------------------- 中国法の規定に基づき、契約当事者間の契約締結には、書面、口頭その他形式を採用することができます。ただし、法律及び行政法規に別途規定がある場合もあり、例えば「中華人民共和国担保法」の規定に基づけば、保証人及び債権者は、書面により保証契約を締結しなければなりません。また、法により譲渡可能な商標専用権、特許権、著作権における財産権をもって質権を設定する場合は、質権設定者及び質権者は、書面による契約を締結しなければならず、かつ、その管理部門に質権設定登記をしなければなりません。質権設定契約は登記の日から発効します。
通常の情況では、口頭の契約は金額が小さく適時に清算が可能な取引に用いられ、渉外契約または金額が大きな契約には用いられません。また、当事者間の取引の内容に係る紛争が発生するのを防止し、債権の管理を強化するために、書面による契約の締結により当事者間の権利及び義務につき約定することをお勧めいたします。
書面による契約を締結するときには、少なくとも次の2点に注意しなければなりません。
1.契約書の起草及び審査時には、契約条項が完全であるか、意味が明確であるかに注意しなければならない
契約の内容は、当事者により約定され、通常、次の条項を含みます。当事者の名称または氏名及び住所、目的、数量、品質、代金または報酬、履行の期限、場所及び方法、違約責任並びに紛争解決の方法です。
当事者は、国家工商行政管理総局が制定した各種の契約書の見本ひな型を参照することができます。ただし、私の経験から言えば、上述の見本ひな型はシンプルなもので、当事者の要求を完全に満足するのは難しいと思料します。このため、契約を締結するときには、弁護士等の専門家の意見を求めることをお勧めいたします。
2.契約において、紛争解決の方法について明確にしなければならない
当事者が契約に係る紛争につき、協議しても合意に達することができない情況においては、通常、訴訟(人民法院に訴訟を提起する)または仲裁(仲裁機構に仲裁を申し立てる)により解決をはかります。
国内の契約に係る紛争については、一般的に、執行を得るための便宜を考慮し(中国法の規定に基づけば、民事裁判法律文書の執行は、人民法院のみにより行われます)当事者は、通常、仲裁よりも訴訟により解決することを選択します。「中華人民共和国民事訴訟法」は、契約に係る紛争解決のために提起した訴訟は、被告の住所地または契約履行地の法院が管轄すると規定しています。ただし、中国法は当事者が管轄を約定することを禁止してはおらず、例えば当事者は、書面による契約において被告の住所地、契約履行地、契約締結地、原告の住所地、目的物の所在地の人民法院による管轄を選択することに合意することができます。地元保護主義による影響を回避し、訴訟の支出を節約するために、契約当事者は通常、当地の法院が管轄権を有すると約定することを希望します。
ただし、渉外契約に係る紛争においては(最高人民法院の司法解釈では、当事者の一方または双方が外国人、無国籍人、外国企業または組織である民事事件、当事者間の民事法律関係の確立、変更及び終了の法的事実が外国で発生した民事事件及び訴訟の目的物が外国にある民事事件を渉外民事事件であると規定しています)、外国の裁判所の判決は中国においてまだ執行することができないため、渉外契約の当事者は、通常、仲裁により解決する方法を選択します。例えば、当事者が外国の仲裁機構において仲裁を行うことを約定し、当該仲裁の裁決について中国の法院に執行を申請します。
契約書は当事者間の権利義務を明確にするための主要な依拠であるので、契約締結業務をきちんと行うことも、債権管理の重要な要素の一つなのです。
-------------------------------------------------------------------------------- 中国法の規定に基づき、契約当事者間の契約締結には、書面、口頭その他形式を採用することができます。ただし、法律及び行政法規に別途規定がある場合もあり、例えば「中華人民共和国担保法」の規定に基づけば、保証人及び債権者は、書面により保証契約を締結しなければなりません。また、法により譲渡可能な商標専用権、特許権、著作権における財産権をもって質権を設定する場合は、質権設定者及び質権者は、書面による契約を締結しなければならず、かつ、その管理部門に質権設定登記をしなければなりません。質権設定契約は登記の日から発効します。
通常の情況では、口頭の契約は金額が小さく適時に清算が可能な取引に用いられ、渉外契約または金額が大きな契約には用いられません。また、当事者間の取引の内容に係る紛争が発生するのを防止し、債権の管理を強化するために、書面による契約の締結により当事者間の権利及び義務につき約定することをお勧めいたします。
書面による契約を締結するときには、少なくとも次の2点に注意しなければなりません。
1.契約書の起草及び審査時には、契約条項が完全であるか、意味が明確であるかに注意しなければならない
契約の内容は、当事者により約定され、通常、次の条項を含みます。当事者の名称または氏名及び住所、目的、数量、品質、代金または報酬、履行の期限、場所及び方法、違約責任並びに紛争解決の方法です。
当事者は、国家工商行政管理総局が制定した各種の契約書の見本ひな型を参照することができます。ただし、私の経験から言えば、上述の見本ひな型はシンプルなもので、当事者の要求を完全に満足するのは難しいと思料します。このため、契約を締結するときには、弁護士等の専門家の意見を求めることをお勧めいたします。
2.契約において、紛争解決の方法について明確にしなければならない
当事者が契約に係る紛争につき、協議しても合意に達することができない情況においては、通常、訴訟(人民法院に訴訟を提起する)または仲裁(仲裁機構に仲裁を申し立てる)により解決をはかります。
国内の契約に係る紛争については、一般的に、執行を得るための便宜を考慮し(中国法の規定に基づけば、民事裁判法律文書の執行は、人民法院のみにより行われます)当事者は、通常、仲裁よりも訴訟により解決することを選択します。「中華人民共和国民事訴訟法」は、契約に係る紛争解決のために提起した訴訟は、被告の住所地または契約履行地の法院が管轄すると規定しています。ただし、中国法は当事者が管轄を約定することを禁止してはおらず、例えば当事者は、書面による契約において被告の住所地、契約履行地、契約締結地、原告の住所地、目的物の所在地の人民法院による管轄を選択することに合意することができます。地元保護主義による影響を回避し、訴訟の支出を節約するために、契約当事者は通常、当地の法院が管轄権を有すると約定することを希望します。
ただし、渉外契約に係る紛争においては(最高人民法院の司法解釈では、当事者の一方または双方が外国人、無国籍人、外国企業または組織である民事事件、当事者間の民事法律関係の確立、変更及び終了の法的事実が外国で発生した民事事件及び訴訟の目的物が外国にある民事事件を渉外民事事件であると規定しています)、外国の裁判所の判決は中国においてまだ執行することができないため、渉外契約の当事者は、通常、仲裁により解決する方法を選択します。例えば、当事者が外国の仲裁機構において仲裁を行うことを約定し、当該仲裁の裁決について中国の法院に執行を申請します。
契約書は当事者間の権利義務を明確にするための主要な依拠であるので、契約締結業務をきちんと行うことも、債権管理の重要な要素の一つなのです。
証拠の収集及び保管
--------------------------------------------------------------------------------
最高人民法院司法解釈では、「当事者は、自己が提起した訴訟請求が依拠とする事実または相手方の訴訟請求に対する反駁が依拠とする事実につき、証拠を提出し、証明を行う責任を負う。証拠がなく、または証拠が当事者の主張する事実を証明するに足りない場合は、立証責任を負う当事者は、不利な結果を負う。」と規定されています。
簡単に言うと、債権の存在には証拠による証明が必要であるということです。証拠を提出できない場合は、相手方が否定すれば、人民法院は債権の存在を認定することができません。このため、債権の回収には十分な証拠を有することが極めて重要です。
証拠は主に当事者により提供されるので、契約の締結、履行に係る証拠を必ず収集、保管する必要があります。また、この際に、次の二点に注意しなければなりません。
1.債権回収に関連する証拠の種類
これには、主に次のいくつかを挙げることができます。
当事者間の権利義務関係を証明することができる証拠 主に、契約書及びその付属文書、並びに相応の補足、変更資料等をいいます。
債権者が約定に従い、すでに全面的に義務を履行しており、違約行為が存在しないことを証明する証拠 例えば、売買契約における債権者の納品の証明資料、債務者の受け取りの証明資料等をいいます。
債務者が約定した義務を履行していないことを証明する証拠 例えば、債務者が作成または承認する借用証書、返済計画及び債権債務の確認書(「対帳単」)等の資料をいいます。
債権及び債務関係が消滅時効を超過していないことを証明する証拠 例えば、債務者が作成または承認する借用証書、返済計画等の資料をいいます。
2.証拠の効力の認定
経済的活動の過程において、複数の関連資料が存在し得る場合がありますが、この場合、どのようにそれらを選別し、保管するかを習得しなければなりません。一般的には、ある一つの事実に関する複数のそれぞれの証拠の証明力は、次の原則により認定することができます。
1.国家機関、社会団体が職権により作成した公文書は、通常、その他の証書よりも証明力が高い。
2.物証、档案、鑑定の結論、検証記録または公証及び登記を経た証書は、通常、その他の証書、視聴覚資料及び証人の証言より証明力が高い。
3.証拠となる書類の原本等(「原始証拠」)は、通常、写し等(「伝来証拠」)より証明力が高い。
4.直接証拠は、通常、間接証拠より証明力が高い。
5.証人が提供する親戚関係や、その他関係の深い当事者にとって有利な証言は、その他の承認による証言より証明力が低い。
もちろん、これらの証拠の効力を判断にするには、一定の法律的な知識を基礎とする必要があります。債権者がこれらを判断することができない場合は、弁護士等の専門家に判断を委ねるために、経済活動に関連するすべての資料を、責任者を決めて適切に保管させるのがもっとも穏当な方法であると考えます。
簡単に言うと、債権の存在には証拠による証明が必要であるということです。証拠を提出できない場合は、相手方が否定すれば、人民法院は債権の存在を認定することができません。このため、債権の回収には十分な証拠を有することが極めて重要です。
証拠は主に当事者により提供されるので、契約の締結、履行に係る証拠を必ず収集、保管する必要があります。また、この際に、次の二点に注意しなければなりません。
1.債権回収に関連する証拠の種類
これには、主に次のいくつかを挙げることができます。
当事者間の権利義務関係を証明することができる証拠 主に、契約書及びその付属文書、並びに相応の補足、変更資料等をいいます。
債権者が約定に従い、すでに全面的に義務を履行しており、違約行為が存在しないことを証明する証拠 例えば、売買契約における債権者の納品の証明資料、債務者の受け取りの証明資料等をいいます。
債務者が約定した義務を履行していないことを証明する証拠 例えば、債務者が作成または承認する借用証書、返済計画及び債権債務の確認書(「対帳単」)等の資料をいいます。
債権及び債務関係が消滅時効を超過していないことを証明する証拠 例えば、債務者が作成または承認する借用証書、返済計画等の資料をいいます。
2.証拠の効力の認定
経済的活動の過程において、複数の関連資料が存在し得る場合がありますが、この場合、どのようにそれらを選別し、保管するかを習得しなければなりません。一般的には、ある一つの事実に関する複数のそれぞれの証拠の証明力は、次の原則により認定することができます。
1.国家機関、社会団体が職権により作成した公文書は、通常、その他の証書よりも証明力が高い。
2.物証、档案、鑑定の結論、検証記録または公証及び登記を経た証書は、通常、その他の証書、視聴覚資料及び証人の証言より証明力が高い。
3.証拠となる書類の原本等(「原始証拠」)は、通常、写し等(「伝来証拠」)より証明力が高い。
4.直接証拠は、通常、間接証拠より証明力が高い。
5.証人が提供する親戚関係や、その他関係の深い当事者にとって有利な証言は、その他の承認による証言より証明力が低い。
もちろん、これらの証拠の効力を判断にするには、一定の法律的な知識を基礎とする必要があります。債権者がこれらを判断することができない場合は、弁護士等の専門家に判断を委ねるために、経済活動に関連するすべての資料を、責任者を決めて適切に保管させるのがもっとも穏当な方法であると考えます。
消滅時効
-------------------------------------------------------------------------------- 消滅時効が完成してしまったために、債権回収が不可能となった事例は、少なくありません。このため、消滅時効に対する理解を深めることも、債権管理における重要な一側面であります。
「中華人民共和国民法通則」の規定では、人民法院に民事権利の保護を求める消滅時効は2年であり、法律で別途規定する場合を除き(例えば、国際貨物売買契約及び技術輸出入契約に係る紛争により提訴または仲裁申し立てを行う場合の期限は、4年と規定されています)、消滅時効は、権利が侵害されたことを知った時または当然知るべき時から起算すると規定されています。法律の規定に基づき、法定の事由により消滅時効が中断されたときは、中断された時からもう一度時効期間を計算します。
実務においては、時効期間の計算は若干複雑で、もっとも穏当な方法は、債権者が次の消滅時効の中断を毎年1回行い、消滅時効が成立するのを妨げることです。
1.債務者に書簡を発送することにより、消滅時効の完成を妨げる
書簡発送には、次の点を注意する必要があります。
(1)書簡を直接債務者に手渡し、債務者の押印または権限を有する者の署名による承認を経て、かつ、受け取りの証明書を得られる場合は、消滅時効を中断することができます。
(2)債務者が受け取りを拒絶する等の原因により、直接送達することができない場合は郵送で送達することができます。ここで注意しなければならないのは、普通郵便で郵送する場合は、相手方が否認すれば債権者は債務者に支払の請求をしたことを証明するのが難しいことです。このため、もっとも穏当な方法としては、書留郵便で郵送し、かつ、公証機関で公証手続を行うことです。
2.「返済の合意書、督促状」により消滅時効の完成を妨げる
一般的に、消滅時効が完成するまでの「返済の合意、督促状」は消滅時効を中断することができます。ただし、次の点に注意する必要があります。
(1)返済の合意においては、通常、分割で返済すると約定しますが、この場合、毎回の返済の消滅時効の起算点が異なるので、特に注意しなければなりません。
(2)一般的に、消滅時効期間を超過した後は、債権者は提訴の権利を有するのみで、勝訴の見込みを失いますが、しかし、最高人民法院の司法解釈の規定に基づけば、消滅時効期間を超過しても、当事者双方がもともとの債務につき返済の合意に達した場合は保護を与えなければならないとしています。このため、種々の原因により消滅時効期間を過ぎてしまった場合でも簡単にあきらめてはなりません。債権者は新しく「返済の合意書」を締結するという救済措置を採用することができます。
3.「債権債務の確認書(「対帳単」)」により消滅時効の完成を妨げる
この場合、次の点に注意する必要があります。
(1)債権債務の確認書(「対帳単」)中に、債務者に一定期限内に支払をするよう請求した内容を含んでいる場合は、当該債権債務の確認書(「対帳単」)により消滅時効を中断することができます。
(2)債権債務の確認書(「対帳単」)中に、債権の価額につき確認を行った内容を含むが、債務者に期限を設定して支払をするよう要求する内容を含まない場合は、消滅時効を中断することが可能かどうかについての議論は、まだ結論をみていない情況です。このため、紛争予防のためには、債権者は債権債務の確認書(「対帳単」)においてはっきりと債務者に対して一定の期間内での支払いを要求しなければなりません。
-------------------------------------------------------------------------------- 消滅時効が完成してしまったために、債権回収が不可能となった事例は、少なくありません。このため、消滅時効に対する理解を深めることも、債権管理における重要な一側面であります。
「中華人民共和国民法通則」の規定では、人民法院に民事権利の保護を求める消滅時効は2年であり、法律で別途規定する場合を除き(例えば、国際貨物売買契約及び技術輸出入契約に係る紛争により提訴または仲裁申し立てを行う場合の期限は、4年と規定されています)、消滅時効は、権利が侵害されたことを知った時または当然知るべき時から起算すると規定されています。法律の規定に基づき、法定の事由により消滅時効が中断されたときは、中断された時からもう一度時効期間を計算します。
実務においては、時効期間の計算は若干複雑で、もっとも穏当な方法は、債権者が次の消滅時効の中断を毎年1回行い、消滅時効が成立するのを妨げることです。
1.債務者に書簡を発送することにより、消滅時効の完成を妨げる
書簡発送には、次の点を注意する必要があります。
(1)書簡を直接債務者に手渡し、債務者の押印または権限を有する者の署名による承認を経て、かつ、受け取りの証明書を得られる場合は、消滅時効を中断することができます。
(2)債務者が受け取りを拒絶する等の原因により、直接送達することができない場合は郵送で送達することができます。ここで注意しなければならないのは、普通郵便で郵送する場合は、相手方が否認すれば債権者は債務者に支払の請求をしたことを証明するのが難しいことです。このため、もっとも穏当な方法としては、書留郵便で郵送し、かつ、公証機関で公証手続を行うことです。
2.「返済の合意書、督促状」により消滅時効の完成を妨げる
一般的に、消滅時効が完成するまでの「返済の合意、督促状」は消滅時効を中断することができます。ただし、次の点に注意する必要があります。
(1)返済の合意においては、通常、分割で返済すると約定しますが、この場合、毎回の返済の消滅時効の起算点が異なるので、特に注意しなければなりません。
(2)一般的に、消滅時効期間を超過した後は、債権者は提訴の権利を有するのみで、勝訴の見込みを失いますが、しかし、最高人民法院の司法解釈の規定に基づけば、消滅時効期間を超過しても、当事者双方がもともとの債務につき返済の合意に達した場合は保護を与えなければならないとしています。このため、種々の原因により消滅時効期間を過ぎてしまった場合でも簡単にあきらめてはなりません。債権者は新しく「返済の合意書」を締結するという救済措置を採用することができます。
3.「債権債務の確認書(「対帳単」)」により消滅時効の完成を妨げる
この場合、次の点に注意する必要があります。
(1)債権債務の確認書(「対帳単」)中に、債務者に一定期限内に支払をするよう請求した内容を含んでいる場合は、当該債権債務の確認書(「対帳単」)により消滅時効を中断することができます。
(2)債権債務の確認書(「対帳単」)中に、債権の価額につき確認を行った内容を含むが、債務者に期限を設定して支払をするよう要求する内容を含まない場合は、消滅時効を中断することが可能かどうかについての議論は、まだ結論をみていない情況です。このため、紛争予防のためには、債権者は債権債務の確認書(「対帳単」)においてはっきりと債務者に対して一定の期間内での支払いを要求しなければなりません。
民事訴訟の管轄
-------------------------------------------------------------------------------- 「中華人民共和国民事訴訟法」は、民事事件の審判権については人民法院がこれを行使すると規定しています。人民法院は、法律の規定に従い民事事件について独立して審判を行い、行政機関、社会団体及び個人の干渉を受けません。
民事訴訟の管轄とは、第一審民事事件を受理する人民法院の役割分担と権限の確定をいい、級別管轄、地域管轄、移送管轄及び指定管轄を含みます。
級別管轄とは、人民法院のシステム内において、第一審民事事件を受理する上下級の人民法院の役割分担と権限の区別をいいます。級別管轄の確定は、事件の性質と影響の大小が主な判断基準となります。また、最高人民法院の関係司法解釈に基づくと、経済紛争に係る事件の級別管轄は、訴訟提起する単位の隷属関係、訴訟目的物の金額の大小及び事件内容の複雑さ等の方面から確定されます。基層人民法院、中級人民法院、高級人民法院、最高人民法院が第一審として受理する民事事件は、それぞれ異なります。
地域管轄とは、第一審民事事件を受理する同級の異なる地域の人民法院の役割分担と権限の確定をいいます。地域管轄の区分は、通常は、人民法院の管轄区と民事事件との間の関係に基づきます。たとえば、人民法院と当事者の住所地との関係、人民法院の管轄区と訴訟目的物との間の関係等です。つまり、級別管轄が法院システム内部において各級人民法院の審理する第一審民事事件の権限を縦方向に確定するのに対し、地域管轄は、事件の管轄がどの級の法院の管轄となるか確定した後、同級の人民法院の間で事件がどの地区の人民法院の管轄となるかを確定し、法院管轄について第一審民事事件を横方向から役割分担することになります。地域管轄は、次を含みます。
1.一般地域管轄:当事者所在地と人民法院の管轄区の隷属関係により確定する管轄。「原告が被告に従う」原則に従い、通常、原告は被告所在地の人民法院に訴訟を提起しなければなりません。
2.特殊地域管轄:訴訟目的物の所在地、被告住所地と人民法院管轄区との間の関係により確定する管轄。たとえば、保険契約に係る紛争により提起される訴訟の場合は、被告住所地または保険目的物の所在地の人民法院が管轄することになります。
3.合意管轄:当事者間の約定に基づき確定する管轄。ただし、一定の条件に適合していなければなりません。
4.専属管轄:法律が規定する訴訟目的が特殊な事件は、特定の人民法院が管轄します。たとえば、不動産に係る紛争により提起される訴訟の場合は、不動産所在地の人民法院が管轄します。
5.共同管轄:同一訴訟において、法律の定めに従った場合、2つまたは2つ以上の人民法院のいずれもが管轄権を有する場合です。このような場合、法により、そのうち管轄権を行使する1つの人民法院を確定しなければなりません。
移送管轄とは、人民法院が事件を受理した後、訴訟を受理した人民法院が、当該事件について自らが管轄権を有さないことを発見したとき、事件の管轄権を有する人民法院に移送することをいい、一定の条件に適合していなければなりません。
指定管轄とは、法律に定められた状況下で、上級人民法院が具体的な事件について、その管轄区内の下級人民法院に管轄を指定することをいいます。ただし、指定管轄の適用範囲には制限があります。
また、中国法の規定により、人民法院が事件を受理した後、被告は答弁期間内において、訴訟を受理した人民法院に対し、事件の受理について管轄権を有していないと認識している旨の意見または主張を提出することができます。これについて、訴訟受理した人民法院は審査を行い、かつ、事件の実際の状況に基づき、管轄に係る異議について裁定を下さなければなりません。
-------------------------------------------------------------------------------- 「中華人民共和国民事訴訟法」は、民事事件の審判権については人民法院がこれを行使すると規定しています。人民法院は、法律の規定に従い民事事件について独立して審判を行い、行政機関、社会団体及び個人の干渉を受けません。
民事訴訟の管轄とは、第一審民事事件を受理する人民法院の役割分担と権限の確定をいい、級別管轄、地域管轄、移送管轄及び指定管轄を含みます。
級別管轄とは、人民法院のシステム内において、第一審民事事件を受理する上下級の人民法院の役割分担と権限の区別をいいます。級別管轄の確定は、事件の性質と影響の大小が主な判断基準となります。また、最高人民法院の関係司法解釈に基づくと、経済紛争に係る事件の級別管轄は、訴訟提起する単位の隷属関係、訴訟目的物の金額の大小及び事件内容の複雑さ等の方面から確定されます。基層人民法院、中級人民法院、高級人民法院、最高人民法院が第一審として受理する民事事件は、それぞれ異なります。
地域管轄とは、第一審民事事件を受理する同級の異なる地域の人民法院の役割分担と権限の確定をいいます。地域管轄の区分は、通常は、人民法院の管轄区と民事事件との間の関係に基づきます。たとえば、人民法院と当事者の住所地との関係、人民法院の管轄区と訴訟目的物との間の関係等です。つまり、級別管轄が法院システム内部において各級人民法院の審理する第一審民事事件の権限を縦方向に確定するのに対し、地域管轄は、事件の管轄がどの級の法院の管轄となるか確定した後、同級の人民法院の間で事件がどの地区の人民法院の管轄となるかを確定し、法院管轄について第一審民事事件を横方向から役割分担することになります。地域管轄は、次を含みます。
1.一般地域管轄:当事者所在地と人民法院の管轄区の隷属関係により確定する管轄。「原告が被告に従う」原則に従い、通常、原告は被告所在地の人民法院に訴訟を提起しなければなりません。
2.特殊地域管轄:訴訟目的物の所在地、被告住所地と人民法院管轄区との間の関係により確定する管轄。たとえば、保険契約に係る紛争により提起される訴訟の場合は、被告住所地または保険目的物の所在地の人民法院が管轄することになります。
3.合意管轄:当事者間の約定に基づき確定する管轄。ただし、一定の条件に適合していなければなりません。
4.専属管轄:法律が規定する訴訟目的が特殊な事件は、特定の人民法院が管轄します。たとえば、不動産に係る紛争により提起される訴訟の場合は、不動産所在地の人民法院が管轄します。
5.共同管轄:同一訴訟において、法律の定めに従った場合、2つまたは2つ以上の人民法院のいずれもが管轄権を有する場合です。このような場合、法により、そのうち管轄権を行使する1つの人民法院を確定しなければなりません。
移送管轄とは、人民法院が事件を受理した後、訴訟を受理した人民法院が、当該事件について自らが管轄権を有さないことを発見したとき、事件の管轄権を有する人民法院に移送することをいい、一定の条件に適合していなければなりません。
指定管轄とは、法律に定められた状況下で、上級人民法院が具体的な事件について、その管轄区内の下級人民法院に管轄を指定することをいいます。ただし、指定管轄の適用範囲には制限があります。
また、中国法の規定により、人民法院が事件を受理した後、被告は答弁期間内において、訴訟を受理した人民法院に対し、事件の受理について管轄権を有していないと認識している旨の意見または主張を提出することができます。これについて、訴訟受理した人民法院は審査を行い、かつ、事件の実際の状況に基づき、管轄に係る異議について裁定を下さなければなりません。
審判組織
-------------------------------------------------------------------------------- 審判組織とは人民法院の事件審判の組織形式をいいます。民事訴訟中の審判組織とは、人民法院の民事事件及び経済事件に対して審判を行い、かつ、裁判する組織をいいます。
人民法院の民事事件及び経済事件については、審判組織が裁判を下し、判決に署名します。ただし、審判組織が作成した判決には必ず人民法院の押印が必要であり、人民法院名義で作成された判決のみが法的効力を有します。
中国法の規定では、人民法院において民事、経済事件を審判する組織形式には2種類があります。すなわち、単独法廷と合議法廷です。
単独法廷とは、裁判官(原文は「審判員」。以下、同様です)が1名で事件を審判する一種の審判組織をいいます。簡易手続を適用する民事事件については、裁判官1名が単独でこれを審理します。特別手続により審理される一般非訟事件は、単独法廷の適用について一定の制限を受けます。
1.単独法廷形式は、簡易手続により審理される民事事件または特別手続により審理される一般非訟案件にのみ適用されます。
2.単独法廷は、基層人民法院及び基層人民法院の派出法庭が、簡易手続または特別手続により第一審民事事件を審理するために用いる審判組織形式です。
3.単独法廷の形式は、裁判官1名によってのみ組織され、陪審員は単独法廷の審判人員となることはできません。
合議法廷とは、審判人員数名によって集団で事件を審判する一種の審判組織をいいます。合議法廷は、裁判官と陪審員が共同で組織することができ、また、その全員を裁判官で組織することもできます。合議法廷は、人民法院が事件を審判する際の最も基本的な審判組織形式であり、第一審普通手続、第二審手続及び再審手続に従って審理される事件、特別手続により審理される選民資格事件並びに重大・難解な失踪宣告、死亡宣告事件、公民の民事行為能力無きこと及び民事行為能力を制限する認定事件案件、並びに財産の所有者無きことの認定事件について、いずれも合議法廷により審理が行われることになります。
合議法廷の成員人数は奇数でなければならず、裁判長は1名、裁判官または陪審員を若干名です。合議法廷の裁判長は、法院長または法廷長が裁判官1名を指定して担任させ、法院長または法廷長が参加する場合には、当該法院長または法廷長が裁判長を担任することとなります。
合議法廷での事件評議には多数決の原則が実行されます。評議については記録を作成しなければならず、合議法廷の成員がこれに署名します。評議中に異なる意見がある場合には、これを事実のとおりに記録に記入しなければなりません。
審判人員は、法により公平に事件を調査・処理しなければなりません。審判人員は、当事者及びその訴訟代理人から接待を受けたり贈物を貰ったりしてはなりません。審判人員に汚職・収賄や、法を曲げるような裁判行為があった場合には、法的責任を追及され、犯罪を構成する場合には、法により刑事責任が追及されることになります。
-------------------------------------------------------------------------------- 審判組織とは人民法院の事件審判の組織形式をいいます。民事訴訟中の審判組織とは、人民法院の民事事件及び経済事件に対して審判を行い、かつ、裁判する組織をいいます。
人民法院の民事事件及び経済事件については、審判組織が裁判を下し、判決に署名します。ただし、審判組織が作成した判決には必ず人民法院の押印が必要であり、人民法院名義で作成された判決のみが法的効力を有します。
中国法の規定では、人民法院において民事、経済事件を審判する組織形式には2種類があります。すなわち、単独法廷と合議法廷です。
単独法廷とは、裁判官(原文は「審判員」。以下、同様です)が1名で事件を審判する一種の審判組織をいいます。簡易手続を適用する民事事件については、裁判官1名が単独でこれを審理します。特別手続により審理される一般非訟事件は、単独法廷の適用について一定の制限を受けます。
1.単独法廷形式は、簡易手続により審理される民事事件または特別手続により審理される一般非訟案件にのみ適用されます。
2.単独法廷は、基層人民法院及び基層人民法院の派出法庭が、簡易手続または特別手続により第一審民事事件を審理するために用いる審判組織形式です。
3.単独法廷の形式は、裁判官1名によってのみ組織され、陪審員は単独法廷の審判人員となることはできません。
合議法廷とは、審判人員数名によって集団で事件を審判する一種の審判組織をいいます。合議法廷は、裁判官と陪審員が共同で組織することができ、また、その全員を裁判官で組織することもできます。合議法廷は、人民法院が事件を審判する際の最も基本的な審判組織形式であり、第一審普通手続、第二審手続及び再審手続に従って審理される事件、特別手続により審理される選民資格事件並びに重大・難解な失踪宣告、死亡宣告事件、公民の民事行為能力無きこと及び民事行為能力を制限する認定事件案件、並びに財産の所有者無きことの認定事件について、いずれも合議法廷により審理が行われることになります。
合議法廷の成員人数は奇数でなければならず、裁判長は1名、裁判官または陪審員を若干名です。合議法廷の裁判長は、法院長または法廷長が裁判官1名を指定して担任させ、法院長または法廷長が参加する場合には、当該法院長または法廷長が裁判長を担任することとなります。
合議法廷での事件評議には多数決の原則が実行されます。評議については記録を作成しなければならず、合議法廷の成員がこれに署名します。評議中に異なる意見がある場合には、これを事実のとおりに記録に記入しなければなりません。
審判人員は、法により公平に事件を調査・処理しなければなりません。審判人員は、当事者及びその訴訟代理人から接待を受けたり贈物を貰ったりしてはなりません。審判人員に汚職・収賄や、法を曲げるような裁判行為があった場合には、法的責任を追及され、犯罪を構成する場合には、法により刑事責任が追及されることになります。
訴訟制度における回避(2006/01/17)
-------------------------------------------------------------------------------- 回避とは、同事件において利害関係等を有する審判人員またはその他の人員が当該事件の審理等の活動に参与することを制限した訴訟制度をいいます。審判人員には、裁判官(原文は「審判員」、以下同様です)、裁判官助理及び陪審員を含みます。その他の人員には、書記官、通訳者、鑑定人及び現地調査士(原文は「勘験人」、以下同様です)が含まれます。
審判人員は事件の審理者及び裁判者であり、人民法院を代表して事件に対する審判権を行使し、客観的かつ公正に事件を処理しなければなりません。彼らに利害関係やその他の関係があり、事件処理の過程において職権を利用して一方の当事者の肩を持ち、他方の当事者を攻撃し、または先入観による影響を受けるようなことがあっては、客観的で公正な事件処理をすることができません。
書記官、通訳者、鑑定員及び現地調査士は事件の審理業務に参与し、または人民法院及び関係単位の指名若しくは招へいを受けて鑑定、調査任務を完成する者であり、事件の審理にも直接的な関係を有します。彼らに事件に関する利害関係またはその他の関係がある場合にも、やはり彼らの忠実な自己の職責履行に対して影響を及ぶ可能性があり、したがって事件の客観的かつ公正な処理に影響を及ぼすことになります。よって、上記人員も法により回避されなければなりません。
中国法の規定によると、審判人員、書記官、通訳者、鑑定人、現地調査士に次に掲げる情状の一つがある場合には、必ず回避しなければならないとされています。
1.本件の当事者または当事者若しくは訴訟代理人の近親者であるとき。2.本件と利害関係を有するとき。3.本件の当事者とその他の関係があり、事件の公正な審理に影響を及ぼす可能性があるとき。いわゆる「その他の関係」とは、上記2つの関係以外の比較的近い、または密接な関係をいいます。たとえば、友人、同僚、同じ出身校同士若しくは師弟、敵対・対立、または贈収賄等の特殊関係がある場合をいいます。
回避の方法には、次が含まれます。
1.回避申請。つまり、当事者が口頭または書面により審判人員またはその他の人員について、事件審理等の活動への不参加を申請する行為です。2.自主的回避。審判人員またはその他の人員が、自身に法に定められた回避事由があると判断し、自主的に事件審理等の活動への不参加を申し出る行為です。
審判の実務において、法に定められた回避事由を有する審判人員またはその他の人員が回避申請されず、または自主的回避をせず、人民法院の関係組織及び人員がこれを発見したときには、回避を指示する決定を下す権利を有します。
当事者が回避申請を提出するためには理由を説明する必要があり、事件の審理開始時に提出しなければなりません。回避事由を審理開始後に知った場合は、法廷弁論終結前に提出することもできます。
回避申請がいったん提出されると、回避申請された人員は人民法院が回避するか否かを決定するまで本件業務への参与を一時停止しますが、事件が緊急措置を講じなければならない場合はこの限りではありません。ただし、人民法院が回避申請を棄却した後、当事者がこれを不服として再審申請した場合は、再審申請期間は申請回避された人員に本件業務の参与を停止させることはできません。審判人員またはその他の人員が自主的回避を申し出た場合に本件業務への参与を一時停止するか否かについては、民事訴訟法中に規定がありません。
-------------------------------------------------------------------------------- 回避とは、同事件において利害関係等を有する審判人員またはその他の人員が当該事件の審理等の活動に参与することを制限した訴訟制度をいいます。審判人員には、裁判官(原文は「審判員」、以下同様です)、裁判官助理及び陪審員を含みます。その他の人員には、書記官、通訳者、鑑定人及び現地調査士(原文は「勘験人」、以下同様です)が含まれます。
審判人員は事件の審理者及び裁判者であり、人民法院を代表して事件に対する審判権を行使し、客観的かつ公正に事件を処理しなければなりません。彼らに利害関係やその他の関係があり、事件処理の過程において職権を利用して一方の当事者の肩を持ち、他方の当事者を攻撃し、または先入観による影響を受けるようなことがあっては、客観的で公正な事件処理をすることができません。
書記官、通訳者、鑑定員及び現地調査士は事件の審理業務に参与し、または人民法院及び関係単位の指名若しくは招へいを受けて鑑定、調査任務を完成する者であり、事件の審理にも直接的な関係を有します。彼らに事件に関する利害関係またはその他の関係がある場合にも、やはり彼らの忠実な自己の職責履行に対して影響を及ぶ可能性があり、したがって事件の客観的かつ公正な処理に影響を及ぼすことになります。よって、上記人員も法により回避されなければなりません。
中国法の規定によると、審判人員、書記官、通訳者、鑑定人、現地調査士に次に掲げる情状の一つがある場合には、必ず回避しなければならないとされています。
1.本件の当事者または当事者若しくは訴訟代理人の近親者であるとき。2.本件と利害関係を有するとき。3.本件の当事者とその他の関係があり、事件の公正な審理に影響を及ぼす可能性があるとき。いわゆる「その他の関係」とは、上記2つの関係以外の比較的近い、または密接な関係をいいます。たとえば、友人、同僚、同じ出身校同士若しくは師弟、敵対・対立、または贈収賄等の特殊関係がある場合をいいます。
回避の方法には、次が含まれます。
1.回避申請。つまり、当事者が口頭または書面により審判人員またはその他の人員について、事件審理等の活動への不参加を申請する行為です。2.自主的回避。審判人員またはその他の人員が、自身に法に定められた回避事由があると判断し、自主的に事件審理等の活動への不参加を申し出る行為です。
審判の実務において、法に定められた回避事由を有する審判人員またはその他の人員が回避申請されず、または自主的回避をせず、人民法院の関係組織及び人員がこれを発見したときには、回避を指示する決定を下す権利を有します。
当事者が回避申請を提出するためには理由を説明する必要があり、事件の審理開始時に提出しなければなりません。回避事由を審理開始後に知った場合は、法廷弁論終結前に提出することもできます。
回避申請がいったん提出されると、回避申請された人員は人民法院が回避するか否かを決定するまで本件業務への参与を一時停止しますが、事件が緊急措置を講じなければならない場合はこの限りではありません。ただし、人民法院が回避申請を棄却した後、当事者がこれを不服として再審申請した場合は、再審申請期間は申請回避された人員に本件業務の参与を停止させることはできません。審判人員またはその他の人員が自主的回避を申し出た場合に本件業務への参与を一時停止するか否かについては、民事訴訟法中に規定がありません。
訴訟参加者
-------------------------------------------------------------------------------- 民事訴訟法中の訴訟参加者は、当事者と訴訟代理人の2種類に分けられます。
民事訴訟の当事者とは、他人と争い、自己の名義により訴訟に参加し、かつ、人民法院の判決の拘束を受ける利害関係者をいいます。公民、法人及びその他組織は、いずれも民事訴訟の当事者になることができます。
当事者は広義と狭義に分けられます。狭義の当事者とは、原告と被告を指します。広義の当事者とは、狭義の当事者を除く共同訴訟者、訴訟代理人及び訴訟第三者をいい、特別手続中の申請人、訴訟提起者並びに執行手続中の執行申立人及び被執行申立人をいいます。
当事者の主な権利には、次のようなものがあります。
1.代理人を委任し、回避申請を申し立て、証拠を收集及び提供し、弁論を行い、執行を申し立てる権利
2.当事者は、本件の関係資料を調査閲覧することができ、かつ、本件の関係資料及び法律文書を複製することができます。本件の関係資料を調査閲覧、複製する範囲及び方法については、最高人民法院がこれを規定します。
3.双方当事者は自主的に和解することができます。
4.原告は訴訟請求を放棄または変更することができます。被告は訴訟請求を承認し、またはこれに反論することができ、反訴を提起する権利を有します。
なお、当事者は、上記訴訟権利を享有すると同時に、法により一定の訴訟義務を遵守しなければなりません。
訴訟代理人とは、法律規定または当事者からの授権に基づき、被代理人の名義で訴訟活動を行う人です。訴訟代理人が行う訴訟行為は、被代理人の訴訟行為とみなされます。代理活動の結果については、被代理人が責任を負います。
訴訟代理権の発生原因により、訴訟代理人は2種類に分けることができます。すなわち、法定代理人と委託代理人です。
法定代理人とは、法律の定めに基づき訴訟行為能力を有さない当事者を代理して訴訟を行う人です。これは国の法律により定められており、被代理人の意志とも代理人の意思とも無関係です。たとえば、訴訟行為能力のない人はその監護人を法定代理人としなければなりません。
委託代理人とは、当事者、法定代表人、法定代理人、訴訟代表人、訴訟中の第三者の委任を受けて訴訟行為を代わって行う人です。中国法の定めに基づき、委託代理人となることができるのは、次に掲げる人員です。
1.弁護士2.当事者の近親者3.社会団体または当事者が所属する単位が推薦する人4.人民法院の許可を経たその他の公民
最高人民法院の関係司法解釈に基づき、民事行為能力のない人、行為能力が制限されている人、被代理人の利益を損害する可能性のある人及び法院が訴訟代理人としてふさわしくないと判断する人は訴訟代理人になることができません。
-------------------------------------------------------------------------------- 民事訴訟法中の訴訟参加者は、当事者と訴訟代理人の2種類に分けられます。
民事訴訟の当事者とは、他人と争い、自己の名義により訴訟に参加し、かつ、人民法院の判決の拘束を受ける利害関係者をいいます。公民、法人及びその他組織は、いずれも民事訴訟の当事者になることができます。
当事者は広義と狭義に分けられます。狭義の当事者とは、原告と被告を指します。広義の当事者とは、狭義の当事者を除く共同訴訟者、訴訟代理人及び訴訟第三者をいい、特別手続中の申請人、訴訟提起者並びに執行手続中の執行申立人及び被執行申立人をいいます。
当事者の主な権利には、次のようなものがあります。
1.代理人を委任し、回避申請を申し立て、証拠を收集及び提供し、弁論を行い、執行を申し立てる権利
2.当事者は、本件の関係資料を調査閲覧することができ、かつ、本件の関係資料及び法律文書を複製することができます。本件の関係資料を調査閲覧、複製する範囲及び方法については、最高人民法院がこれを規定します。
3.双方当事者は自主的に和解することができます。
4.原告は訴訟請求を放棄または変更することができます。被告は訴訟請求を承認し、またはこれに反論することができ、反訴を提起する権利を有します。
なお、当事者は、上記訴訟権利を享有すると同時に、法により一定の訴訟義務を遵守しなければなりません。
訴訟代理人とは、法律規定または当事者からの授権に基づき、被代理人の名義で訴訟活動を行う人です。訴訟代理人が行う訴訟行為は、被代理人の訴訟行為とみなされます。代理活動の結果については、被代理人が責任を負います。
訴訟代理権の発生原因により、訴訟代理人は2種類に分けることができます。すなわち、法定代理人と委託代理人です。
法定代理人とは、法律の定めに基づき訴訟行為能力を有さない当事者を代理して訴訟を行う人です。これは国の法律により定められており、被代理人の意志とも代理人の意思とも無関係です。たとえば、訴訟行為能力のない人はその監護人を法定代理人としなければなりません。
委託代理人とは、当事者、法定代表人、法定代理人、訴訟代表人、訴訟中の第三者の委任を受けて訴訟行為を代わって行う人です。中国法の定めに基づき、委託代理人となることができるのは、次に掲げる人員です。
1.弁護士2.当事者の近親者3.社会団体または当事者が所属する単位が推薦する人4.人民法院の許可を経たその他の公民
最高人民法院の関係司法解釈に基づき、民事行為能力のない人、行為能力が制限されている人、被代理人の利益を損害する可能性のある人及び法院が訴訟代理人としてふさわしくないと判断する人は訴訟代理人になることができません。
上訴期間
-------------------------------------------------------------------------------- 債権回収において訴えを提起するときは、その期間の問題にかかわります。例えば、企業Aが経済紛争のために企業Bに対して訴えを提起し、Aが2006年1月5日に第一審の判決書を受領した場合、その上訴期間は15日となります。Aは判決書の内容に不服がある場合には、この上訴期間中に上訴することができます。上訴期間は、具体的には2006年1月6日から2006年1月20日の間なります。
中国法の規定に従うと、期間は、時、日、月、年により計算されます。期間を計算するときは、期間の開始、期間の満了及び郵送中の時間の3つの面を考慮しなければなりません。以下、上記の上訴期間の事例を参考に説明しましょう。
1.期間の開始
中国の民事訴訟に関する法律の規定に従うと、期間開始の時、日は期間に算入されません。日で計算する各種の期間は全て翌日から起算します。上記の事例では、Aは2006年1月5日に第一審の判決書を受領したとすると、期間の起算は1月6日からなされなければなりません。これは、1月5日を期間の起算日とすると、Aがその日の営業時間終了の直前に人民法院から判決書を受領した場合、Aの上訴期間は実際には法定の15日に比べて1日少なくなってしまい、当事者の訴訟の権利を十分に保護できなくなってしまうからです。また、営業時間終了直前に受け取った場合と営業時間開始直後に受け取った場合を比べると、その対応に丸一日の差が出てしまい、合理的とは言えないからです。
2.期間の満了
中国の民事訴訟に関する法律では、期間の満了の最終日が休日の場合は、休日の翌日を期間の満了の日と規定しています。ここでの休日とは、土曜日、日曜日及び法定の祝日を含んでいます(例えば、元旦、春節、メーデー、国慶節です)。上記の事例では、Bが2006年1月6日に判決書を受領した場合、1月7日から上訴期間が計算され1月21日には期間が満了するはずですが、1月21日が土曜日、1月22日が日曜日となると上訴期間の満了は延長されて1月23日となります(人民法院は、土曜日は業務を行わないので、Bの上訴期間を短縮しないための措置です)。
3.郵送中の時間の排除
中国の民事訴訟に関する法律では、期間には郵送中の時間を含みません。訴訟文書が期間の満了前に発送された場合には、期間の徒過とはなりません。上記の事例でいうと、Aが1月20日に上訴状を発送し、1月23日に人民法院がこれを受領した場合、Aは上訴期間内に上訴したこととなります。「郵送中の時間(中国語では『在途时间』)」とは、人民法院が訴訟文書を郵便で送達する時間、または、当事者の提出する訴訟文書が郵送されるのにかかる時間をいいます。ですから、法定の時間が満了する前に訴訟文書を発送すれば、到着前に上訴期間が経過しても上訴期間が過ぎてしまったことにはなりません。訴訟文書が期間満了前に発送されたか否かを判断する場合には、訴訟文書の発送地の消印を基準とし、到達地の消印は基準としません。
別途注意が必要な点として、当事者の不可抗力またはその他正当な理由により期限が経過してしまった場合は、障碍が消滅してから10日内に期限順延の申請をすることができることがあります(ただし、それが認められるかは人民法院の判断にゆだねられます。)。例えば、Aの上訴期間が開始して3日後に洪水で交通が中断されたとします。洪水が発生して20日後に交通が回復したとき、Aは交通回復時から10日内に上訴期限の順延を申請しなければなりません。人民法院が審査の上で順延申請が法定の条件に適合すると判断した場合には、認可された日から不可抗力のため消化できなかった残りの期間である12日が順延されることとなります。
-------------------------------------------------------------------------------- 債権回収において訴えを提起するときは、その期間の問題にかかわります。例えば、企業Aが経済紛争のために企業Bに対して訴えを提起し、Aが2006年1月5日に第一審の判決書を受領した場合、その上訴期間は15日となります。Aは判決書の内容に不服がある場合には、この上訴期間中に上訴することができます。上訴期間は、具体的には2006年1月6日から2006年1月20日の間なります。
中国法の規定に従うと、期間は、時、日、月、年により計算されます。期間を計算するときは、期間の開始、期間の満了及び郵送中の時間の3つの面を考慮しなければなりません。以下、上記の上訴期間の事例を参考に説明しましょう。
1.期間の開始
中国の民事訴訟に関する法律の規定に従うと、期間開始の時、日は期間に算入されません。日で計算する各種の期間は全て翌日から起算します。上記の事例では、Aは2006年1月5日に第一審の判決書を受領したとすると、期間の起算は1月6日からなされなければなりません。これは、1月5日を期間の起算日とすると、Aがその日の営業時間終了の直前に人民法院から判決書を受領した場合、Aの上訴期間は実際には法定の15日に比べて1日少なくなってしまい、当事者の訴訟の権利を十分に保護できなくなってしまうからです。また、営業時間終了直前に受け取った場合と営業時間開始直後に受け取った場合を比べると、その対応に丸一日の差が出てしまい、合理的とは言えないからです。
2.期間の満了
中国の民事訴訟に関する法律では、期間の満了の最終日が休日の場合は、休日の翌日を期間の満了の日と規定しています。ここでの休日とは、土曜日、日曜日及び法定の祝日を含んでいます(例えば、元旦、春節、メーデー、国慶節です)。上記の事例では、Bが2006年1月6日に判決書を受領した場合、1月7日から上訴期間が計算され1月21日には期間が満了するはずですが、1月21日が土曜日、1月22日が日曜日となると上訴期間の満了は延長されて1月23日となります(人民法院は、土曜日は業務を行わないので、Bの上訴期間を短縮しないための措置です)。
3.郵送中の時間の排除
中国の民事訴訟に関する法律では、期間には郵送中の時間を含みません。訴訟文書が期間の満了前に発送された場合には、期間の徒過とはなりません。上記の事例でいうと、Aが1月20日に上訴状を発送し、1月23日に人民法院がこれを受領した場合、Aは上訴期間内に上訴したこととなります。「郵送中の時間(中国語では『在途时间』)」とは、人民法院が訴訟文書を郵便で送達する時間、または、当事者の提出する訴訟文書が郵送されるのにかかる時間をいいます。ですから、法定の時間が満了する前に訴訟文書を発送すれば、到着前に上訴期間が経過しても上訴期間が過ぎてしまったことにはなりません。訴訟文書が期間満了前に発送されたか否かを判断する場合には、訴訟文書の発送地の消印を基準とし、到達地の消印は基準としません。
別途注意が必要な点として、当事者の不可抗力またはその他正当な理由により期限が経過してしまった場合は、障碍が消滅してから10日内に期限順延の申請をすることができることがあります(ただし、それが認められるかは人民法院の判断にゆだねられます。)。例えば、Aの上訴期間が開始して3日後に洪水で交通が中断されたとします。洪水が発生して20日後に交通が回復したとき、Aは交通回復時から10日内に上訴期限の順延を申請しなければなりません。人民法院が審査の上で順延申請が法定の条件に適合すると判断した場合には、認可された日から不可抗力のため消化できなかった残りの期間である12日が順延されることとなります。
訴訟における送達
-------------------------------------------------------------------------------- 債権回収のために訴訟を提起する場合、その過程において送達が問題となることがあります。送達方式には通常は直接送達が用いられますが、それが不可能な場合には、留置送達(送達文書の受領者が受領を拒絶した場合に、立会人の立会いの下で送達文書を受領者の住所に差し置く方法です)、委託送達(他の人民法院に送達を委託する方法です。)及び郵便送達(郵便による送達で、配達証明書の書類受領日を送達日とします)等があります。これらは全て適法な送達方式です。しかし、当事者によっては相手方または人民法院に対する不満を表すために受領を拒否する場合もあり、当事者が直接送達による受領を拒否した場合には留置送達の手段が用いられ、かえって送達日を巡る紛争が発生し、自らの訴訟権利に影響を及ぼすこともあります。
送達受領証(中国語は「送达回证」)は、送達文書受領者が人民法院の送達した訴訟文書を受領したことを証明する証明書です。その様式は次の通りですのでご参考ください。(括弧内は中国語の原文)
-------------------------------------------------------------------------------- 債権回収のために訴訟を提起する場合、その過程において送達が問題となることがあります。送達方式には通常は直接送達が用いられますが、それが不可能な場合には、留置送達(送達文書の受領者が受領を拒絶した場合に、立会人の立会いの下で送達文書を受領者の住所に差し置く方法です)、委託送達(他の人民法院に送達を委託する方法です。)及び郵便送達(郵便による送達で、配達証明書の書類受領日を送達日とします)等があります。これらは全て適法な送達方式です。しかし、当事者によっては相手方または人民法院に対する不満を表すために受領を拒否する場合もあり、当事者が直接送達による受領を拒否した場合には留置送達の手段が用いられ、かえって送達日を巡る紛争が発生し、自らの訴訟権利に影響を及ぼすこともあります。
送達受領証(中国語は「送达回证」)は、送達文書受領者が人民法院の送達した訴訟文書を受領したことを証明する証明書です。その様式は次の通りですのでご参考ください。(括弧内は中国語の原文)
訴訟における調停
-------------------------------------------------------------------------------- 訴訟であれ協議であれ、債権回収の最終目的は債務の弁済を受けることにあります。中国法の規定に従うと、債権回収の訴訟事件において当事者双方は、法院の審判員の主宰と調整の下、紛争事件の問題点につき協議し解決することができます。
ここで注意が必要なのは、訴訟過程における調停(通常、「法院調停」といいます)と訴訟外の調停には、主に次のいくつかの違いがあることです。
1.発生時の違い
前者は、訴訟過程において発生するため、当事者がこの過程において行う協議等の行為は、訴訟行為に属します。後者は、訴訟外で発生するので、当事者の行為は、訴訟上の意味を有しません。
2.主宰者の違い
前者は人民法院の主宰により行われ、人民法院はその審判職権により調停を行います。後者の主宰者は、人民調停委員会、行政機関、仲裁機構であったり、当事者双方が信頼する個人であることもあります。
3.法律上の結果の違い
法院調停の当事者が合意に達し、調停書に署名した場合には、訴訟は終了し、調停書の給付義務等の内容は執行力を有します。一方、訴訟外の調停は、仲裁機構が作成した調停書が当事者に対して拘束力を有するのに比べ、その他の機構または個人の主宰により行われた調停による合意はいずれも拘束力を有しません。この場合、当事者の一方が考えを変えれば、もう一方は訴えを提起するよりほかありません。
中国法の規定に基くと、人民法院が民事事件について調停を行う場合には、次の3つの原則を遵守しなければなりません。
1.当事者の自由意志の原則
人民法院は、当事者に調停への同意を強制することはできず、また、当事者に調停方案の受け入れを強制することもできません。
2.事実の調査解明、是非の分別の原則
人民法院が調停活動を行う場合には、事件の基本的事実を調査解明し、当事者の責任の有無を分別したうえで行わなければなりません。
3.適法の原則
人民法院は、調停活動において、手続、実体ともに適法でなければなりません。
以上が法院調停の基本的な内容です。しかし、実務において、債権者は次の2つの問題に特に注意しなければならないものと思料します。
1.調停書の作成について
通常、調停は債務者から直ちに債務の弁済を得られることを意味しません。このため、債務者が考えを変えたときに備えて即時の完済ができる場合を除き、債権者は調停の過程において人民法院に調停書の作成を要求し、将来の強制執行申請の根拠とすべきです。
2.調停により債権者にもたらされ得る損失を可能な限り回避すること
通常、人民法院は調停の過程において、債権者に債権の一部を放棄させることで債務者になるべく早く債務の支払いをさせるよう提案することがあります。このような調停書に署名し送達された後に、債務者が調停書に約定した期限に従い債務を履行できない場合には、債務者の債権金額は減少したこととなります。ですから、原則として、債務者が期限通りに支払いができる状況だと確信できなければ、債権者は債権の一部放棄について容易に同意すべきではありません。
財産の保全
-------------------------------------------------------------------------------- 訴訟により債権を回収するときは、通常、債権回収のコストを考慮しなければなりません。これには、訴訟費用及び発生するであろう弁護士費用等が含まれます。債権者は、通常、債権回収の可能性を予測しますが、どんな場合でも予測しえなかった状況が発生する可能性があります。このため、最良の安全策として、訴訟前または訴訟中に債務者の財産を探し出し、人民法院に必要な強制措置を講じてもらい、将来の当該財産に対する執行を可能にしておくことがあげられます。
中国の民事訴訟に関する法律においてもこのような制度が明確に規定されており、財産保全制度といいます。財産保全は、訴訟前保全と訴訟保全の2つがあります。訴訟前保全とは、訴訟が発生する前に、人民法院が利害関係者(例えば、債権者)の申請に基づき、関係する財産(通常は、債務者の財産)に対して強制措置を講じる制度です。債権者にとって、財産保全措置を講じなければ、その適法な債権を回収するすべがない状況ならば、人民法院に訴訟前保全を申請することができます。もちろん、債権者の誤った申請が被申請者の財産の損失をもたらすことを避けるため、債権者が訴訟前保全を申請するときは必ず担保を提供しなければなりません。
訴訟保全とは、訴訟の過程において、人民法院の判決が滞りなく実施されることを保証するため、人民法院が当事者(通常は債権者)の申請に基づき、または、必要なときはその職権により関係する財産に対して保護措置を講ずることを決定する制度です。訴訟保全は訴訟の過程において行われるため、人民法院は事件の状況について初歩的な理解を有しています。このため、人民法院が訴訟保全措置を講じるときは、申請者に担保の提供を要求することもでき、要求しないこともできます。債権回収の実例から見ると、債務者の財産に対して財産保全を行い、十分な財産が確保できた場合には、債権回収の最終的な実現の可能性が高くなります。
中国法の規定に基づくと、財産保全は請求の範囲または事件に関係する財物に限られます。司法の実践から見て請求の範囲とは、保全される財産の価値が、訴訟において請求される額に相当しているか、または利害関係者の請求に相当していることをいいます。事件に関係する財物とは、事件の目的物、将来の法院による判決の執行に供することができる財物または利害関係者が保全を請求した財物をいいます。
財産保全の措置には、主に封印、差押え、凍結または法定のその他方法があります。封印または差押えされた財産は、原則として誰も使用、処分することができません。ただし、家屋等の不動産及び車両等の動産については、人民法院の許しを得て継続して使用することができます。季節性の商品及び長期保存に適さない物品については、人民法院は当事者に直ちに処理するよう命じ、人民法院がその代金を保存することができます。必要なときは人民法院が売却し、その代金を保存することもできます。法定のその他方法とは、主に被申請者(通常は債務者)の期限が到来した収益及び債権の行使を制限する、つまり、人民法院が債務者が得るべきそれらの収益に対して保全措置を講じることをいいます。債務者の受け取りの制限には、関係する単位もこれに協力する義務があります。債務者の財産が保全請求を満足することができない場合において、債務者が第三者に対して期限が到来した債権を有するときは、人民法院は債権者の申請により、その第三者は債務者に弁済してはならない旨の裁定をすることができ、その第三者が弁済を申し出た場合には人民法院が財物または代金を保存します。
なお、注意を要する点として、司法の実践において、被申請者(債務者)の銀行預金を凍結するときは、1回の凍結の有効期間は6カ月であることがあげられます。6カ月を超えると、債権者が継続して財産保全を請求し、かつ、人民法院が継続して保全措置を講ずることを裁定しなければ凍結は自動的に解除されます。
-------------------------------------------------------------------------------- 訴訟であれ協議であれ、債権回収の最終目的は債務の弁済を受けることにあります。中国法の規定に従うと、債権回収の訴訟事件において当事者双方は、法院の審判員の主宰と調整の下、紛争事件の問題点につき協議し解決することができます。
ここで注意が必要なのは、訴訟過程における調停(通常、「法院調停」といいます)と訴訟外の調停には、主に次のいくつかの違いがあることです。
1.発生時の違い
前者は、訴訟過程において発生するため、当事者がこの過程において行う協議等の行為は、訴訟行為に属します。後者は、訴訟外で発生するので、当事者の行為は、訴訟上の意味を有しません。
2.主宰者の違い
前者は人民法院の主宰により行われ、人民法院はその審判職権により調停を行います。後者の主宰者は、人民調停委員会、行政機関、仲裁機構であったり、当事者双方が信頼する個人であることもあります。
3.法律上の結果の違い
法院調停の当事者が合意に達し、調停書に署名した場合には、訴訟は終了し、調停書の給付義務等の内容は執行力を有します。一方、訴訟外の調停は、仲裁機構が作成した調停書が当事者に対して拘束力を有するのに比べ、その他の機構または個人の主宰により行われた調停による合意はいずれも拘束力を有しません。この場合、当事者の一方が考えを変えれば、もう一方は訴えを提起するよりほかありません。
中国法の規定に基くと、人民法院が民事事件について調停を行う場合には、次の3つの原則を遵守しなければなりません。
1.当事者の自由意志の原則
人民法院は、当事者に調停への同意を強制することはできず、また、当事者に調停方案の受け入れを強制することもできません。
2.事実の調査解明、是非の分別の原則
人民法院が調停活動を行う場合には、事件の基本的事実を調査解明し、当事者の責任の有無を分別したうえで行わなければなりません。
3.適法の原則
人民法院は、調停活動において、手続、実体ともに適法でなければなりません。
以上が法院調停の基本的な内容です。しかし、実務において、債権者は次の2つの問題に特に注意しなければならないものと思料します。
1.調停書の作成について
通常、調停は債務者から直ちに債務の弁済を得られることを意味しません。このため、債務者が考えを変えたときに備えて即時の完済ができる場合を除き、債権者は調停の過程において人民法院に調停書の作成を要求し、将来の強制執行申請の根拠とすべきです。
2.調停により債権者にもたらされ得る損失を可能な限り回避すること
通常、人民法院は調停の過程において、債権者に債権の一部を放棄させることで債務者になるべく早く債務の支払いをさせるよう提案することがあります。このような調停書に署名し送達された後に、債務者が調停書に約定した期限に従い債務を履行できない場合には、債務者の債権金額は減少したこととなります。ですから、原則として、債務者が期限通りに支払いができる状況だと確信できなければ、債権者は債権の一部放棄について容易に同意すべきではありません。
財産の保全
-------------------------------------------------------------------------------- 訴訟により債権を回収するときは、通常、債権回収のコストを考慮しなければなりません。これには、訴訟費用及び発生するであろう弁護士費用等が含まれます。債権者は、通常、債権回収の可能性を予測しますが、どんな場合でも予測しえなかった状況が発生する可能性があります。このため、最良の安全策として、訴訟前または訴訟中に債務者の財産を探し出し、人民法院に必要な強制措置を講じてもらい、将来の当該財産に対する執行を可能にしておくことがあげられます。
中国の民事訴訟に関する法律においてもこのような制度が明確に規定されており、財産保全制度といいます。財産保全は、訴訟前保全と訴訟保全の2つがあります。訴訟前保全とは、訴訟が発生する前に、人民法院が利害関係者(例えば、債権者)の申請に基づき、関係する財産(通常は、債務者の財産)に対して強制措置を講じる制度です。債権者にとって、財産保全措置を講じなければ、その適法な債権を回収するすべがない状況ならば、人民法院に訴訟前保全を申請することができます。もちろん、債権者の誤った申請が被申請者の財産の損失をもたらすことを避けるため、債権者が訴訟前保全を申請するときは必ず担保を提供しなければなりません。
訴訟保全とは、訴訟の過程において、人民法院の判決が滞りなく実施されることを保証するため、人民法院が当事者(通常は債権者)の申請に基づき、または、必要なときはその職権により関係する財産に対して保護措置を講ずることを決定する制度です。訴訟保全は訴訟の過程において行われるため、人民法院は事件の状況について初歩的な理解を有しています。このため、人民法院が訴訟保全措置を講じるときは、申請者に担保の提供を要求することもでき、要求しないこともできます。債権回収の実例から見ると、債務者の財産に対して財産保全を行い、十分な財産が確保できた場合には、債権回収の最終的な実現の可能性が高くなります。
中国法の規定に基づくと、財産保全は請求の範囲または事件に関係する財物に限られます。司法の実践から見て請求の範囲とは、保全される財産の価値が、訴訟において請求される額に相当しているか、または利害関係者の請求に相当していることをいいます。事件に関係する財物とは、事件の目的物、将来の法院による判決の執行に供することができる財物または利害関係者が保全を請求した財物をいいます。
財産保全の措置には、主に封印、差押え、凍結または法定のその他方法があります。封印または差押えされた財産は、原則として誰も使用、処分することができません。ただし、家屋等の不動産及び車両等の動産については、人民法院の許しを得て継続して使用することができます。季節性の商品及び長期保存に適さない物品については、人民法院は当事者に直ちに処理するよう命じ、人民法院がその代金を保存することができます。必要なときは人民法院が売却し、その代金を保存することもできます。法定のその他方法とは、主に被申請者(通常は債務者)の期限が到来した収益及び債権の行使を制限する、つまり、人民法院が債務者が得るべきそれらの収益に対して保全措置を講じることをいいます。債務者の受け取りの制限には、関係する単位もこれに協力する義務があります。債務者の財産が保全請求を満足することができない場合において、債務者が第三者に対して期限が到来した債権を有するときは、人民法院は債権者の申請により、その第三者は債務者に弁済してはならない旨の裁定をすることができ、その第三者が弁済を申し出た場合には人民法院が財物または代金を保存します。
なお、注意を要する点として、司法の実践において、被申請者(債務者)の銀行預金を凍結するときは、1回の凍結の有効期間は6カ月であることがあげられます。6カ月を超えると、債権者が継続して財産保全を請求し、かつ、人民法院が継続して保全措置を講ずることを裁定しなければ凍結は自動的に解除されます。
判決前の執行(先行執行)
-------------------------------------------------------------------------------- 人民法院が民事事件を審理する場合、受理から判決、そして判決の発効と執行という一連の過程には相当の長い時間が必要です。債権者は、この間、経済的な困難により生産経営が難しくなり、ひいては生産ができなくなることもあるでしょう。このような場合には、人民法院が最終審の判決を下す前に執行措置を行い、債務者に債権者に対して一定の額の金員または財物を先行して支払わせ、債権者の困難を解決し、債権者の生産経営を維持できるようにする必要があります。以下、当該判決前の執行を「先行執行」といいます。
先行執行は、人民法院の最終審の判決前に発生するので、判決をせず執行するという性質を有します。債権者の適法な権益を直ちに保護するという観点から見ると、この先行執行の意義は大きいものと言えます。
先行執行が適用されるのは、通常、扶養費、慰問金、労働報酬等に係る事件ですが、中国法は、同時に緊急を要する状況でも先行執行を適用することができると規定しています。緊急を要する状況とは、債権者の請求する権利を、先行執行をして実現しなければ、債権者の生活または生産経営に著しい影響がもたらされる場合をいいます。その影響の程度が「著しく」なく、一定の程度である場合は、緊急を要する状況とみなすことはできません。著しい影響とは、主に必要な生活及び生産を維持できない程度に達しており、それが最終審の判決前に存在していることをいいます。最終審の判決が下された後であれば、先行執行の必要はなく、最終審の判決の内容により執行されます。先行執行により直接にこの著しい影響を除去することができても、そうすることで債権者の生活及び生産経営状況が改善できない場合には先行執行の必要もなくなります。最終審の判決前においては、先行執行が早く行われれば早く行われるほど債権者への影響が小さくなります。
同時に、中国の関連する司法解釈も「状況が緊急であるために先行執行が必要な事件」について明確に規定しており、これには生産のための原料及び生産道具に用いる代金の即時弁済が必要な事件が含まれています。
当該司法解釈によると、民事紛争事件においては、一方が前払金または手付金を支払ったのに他方が供給すべき製品を有さず、かつ、支払いをした一方に生産のための原料や道具を購入する緊急な必要があり、前払金または手付金の返還を督促するため人民法院に訴えを提起する場合、また、一方が製品を受領した後に理由なく代金の支払いを拒絶し、製品を提供した一方が生産の原料や道具の購入のために当該金員を緊急に必要とする場合には、人民法院は、企業に速やかに生産を回復させるために、権利者の申請に基づき即時に先行執行措置を講じる裁定を行い、当事者の一方に直ちに当該金員を返還するよう命じることができます。
外国投資家投資企業にとっても、債権回収の過程において、状況が切迫し、先行執行を申請しなければならないこともあるでしょう。その場合は、次の3点に注意する必要があります。
1.先行執行は、被申請者(債務者)に履行の能力があるのに正当な理由なく履行を拒否していることが前提となります。被申請者に履行の能力がない場合には、先行執行を行うことはできません。このような場合には、人民法院も先行執行に同意することはありません。
2.人民法院が先行執行措置を行う場合、法により申請者に担保の提供を命じることができます。申請者が人民法院の命じる担保を提供できない場合には、人民法院は先行執行に係る申請を却下する裁定をしなければなりません。先行執行のもたらす影響は多大であるため、執行が誤っていた場合の結果も重大であり、このため司法の実践においては、人民法院は、通常、相応の担保の提供を求めます。
3.人民法院は、職権によっては先行執行を裁定することができません。というのは、生活や生産経営において緊急に必要であるか否かは、当事者が一番了解しているところであるため、当事者が申請しない場合には、人民法院は、先行執行を主導的に裁定する必要はないからです。
-------------------------------------------------------------------------------- 人民法院が民事事件を審理する場合、受理から判決、そして判決の発効と執行という一連の過程には相当の長い時間が必要です。債権者は、この間、経済的な困難により生産経営が難しくなり、ひいては生産ができなくなることもあるでしょう。このような場合には、人民法院が最終審の判決を下す前に執行措置を行い、債務者に債権者に対して一定の額の金員または財物を先行して支払わせ、債権者の困難を解決し、債権者の生産経営を維持できるようにする必要があります。以下、当該判決前の執行を「先行執行」といいます。
先行執行は、人民法院の最終審の判決前に発生するので、判決をせず執行するという性質を有します。債権者の適法な権益を直ちに保護するという観点から見ると、この先行執行の意義は大きいものと言えます。
先行執行が適用されるのは、通常、扶養費、慰問金、労働報酬等に係る事件ですが、中国法は、同時に緊急を要する状況でも先行執行を適用することができると規定しています。緊急を要する状況とは、債権者の請求する権利を、先行執行をして実現しなければ、債権者の生活または生産経営に著しい影響がもたらされる場合をいいます。その影響の程度が「著しく」なく、一定の程度である場合は、緊急を要する状況とみなすことはできません。著しい影響とは、主に必要な生活及び生産を維持できない程度に達しており、それが最終審の判決前に存在していることをいいます。最終審の判決が下された後であれば、先行執行の必要はなく、最終審の判決の内容により執行されます。先行執行により直接にこの著しい影響を除去することができても、そうすることで債権者の生活及び生産経営状況が改善できない場合には先行執行の必要もなくなります。最終審の判決前においては、先行執行が早く行われれば早く行われるほど債権者への影響が小さくなります。
同時に、中国の関連する司法解釈も「状況が緊急であるために先行執行が必要な事件」について明確に規定しており、これには生産のための原料及び生産道具に用いる代金の即時弁済が必要な事件が含まれています。
当該司法解釈によると、民事紛争事件においては、一方が前払金または手付金を支払ったのに他方が供給すべき製品を有さず、かつ、支払いをした一方に生産のための原料や道具を購入する緊急な必要があり、前払金または手付金の返還を督促するため人民法院に訴えを提起する場合、また、一方が製品を受領した後に理由なく代金の支払いを拒絶し、製品を提供した一方が生産の原料や道具の購入のために当該金員を緊急に必要とする場合には、人民法院は、企業に速やかに生産を回復させるために、権利者の申請に基づき即時に先行執行措置を講じる裁定を行い、当事者の一方に直ちに当該金員を返還するよう命じることができます。
外国投資家投資企業にとっても、債権回収の過程において、状況が切迫し、先行執行を申請しなければならないこともあるでしょう。その場合は、次の3点に注意する必要があります。
1.先行執行は、被申請者(債務者)に履行の能力があるのに正当な理由なく履行を拒否していることが前提となります。被申請者に履行の能力がない場合には、先行執行を行うことはできません。このような場合には、人民法院も先行執行に同意することはありません。
2.人民法院が先行執行措置を行う場合、法により申請者に担保の提供を命じることができます。申請者が人民法院の命じる担保を提供できない場合には、人民法院は先行執行に係る申請を却下する裁定をしなければなりません。先行執行のもたらす影響は多大であるため、執行が誤っていた場合の結果も重大であり、このため司法の実践においては、人民法院は、通常、相応の担保の提供を求めます。
3.人民法院は、職権によっては先行執行を裁定することができません。というのは、生活や生産経営において緊急に必要であるか否かは、当事者が一番了解しているところであるため、当事者が申請しない場合には、人民法院は、先行執行を主導的に裁定する必要はないからです。
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