見過ごせない試用期間の設定
企業が労働者の能力および適性を見極めるため、中国では試用期間が「労働法」で規定されています。同法第21条によると、最長6カ月の試用期間を設けることができます。
具体的な試用期間の長さは、各地で微妙に異なります。上海市を例に取ると、労働契約期間が(1)6カ月未満の場合、試用期間を設定してはならない(2)6カ月以上1年未満の場合、1カ月以内(3)1年以上3年未満の場合、3カ月以内(4)3年以上の場合、6カ月以内――となっています。
これが江蘇省、北京市、大連市などになると、「労働契約期間が6カ月未満でも15日間を超えない試用期間を設定できる」などとなっています。試用期間を設定する際は、必ず地方性法規を確認する必要があるでしょう。
さて、試用期間については少なくないトラブルも聞かれます。典型的なのが、使用側が試用期間をむやみに延長してしまうケースです。
原則上は、(1)試用期間の延長は、制限期間以上はできない(2)期間内だったら双方の合意で延長可能――となっています。よって、当然のことですが、上限3カ月のところを5カ月、6カ月にして雇用し続けるというのは問題です。労働法第25条では「試用期間において採用条件に不適合であることが証明されたとき」労働契約を解除できると規定しています。このため、不当に試用期間を延長した上で、即時解雇というようなケースもままあるようです(本来ならば、解除時は試用期間ではないため、30日前の事前通告が必要となります)。
この試用期間ですが、3月に草案が発表され、年内にも施行されるとみられる「労働契約法」では大きな変化があります。同法草案の第13条では「非技術系の職場の試用期間は1カ月を超えてはならず、技術系の職場の試用期間は2カ月を超えてはならず、高級専門技術系の職場の試用期間は6カ月を超えてはならない」と規定しています。技術系と非技術系の区別があいまいですが、このままだと、いわゆる「文系従業員」の大多数には最長1カ月の試用期間しか設けられないということになります。使用者側には不利な要素になるといえるでしょう。
同法草案がそのまま採択されるかどうかは、今後注視する必要がありますが、この試用期間の制限変更も大きなポイントになってくると思われます。
弁護士方暁暉

0 件のコメント:
コメントを投稿