昨年の香港の中国株市場(H株、レッドチップ)は、新規上場(IPO)に沸いた年だった。
主だった新規公開企業のリストは以下のとおりである。
昨年の多くのIPO のうち、いわゆる元国営4 大銀行の上場は中国のWTO加盟後の経済政策の最終仕上げともいえる。
WTOに加盟すると、名目上各国は規制緩和による自由競争をしなければならなくなる。
小売、サービスなどに続いて最終的には金融業を外国企業に一定の基準で参入を許可する。
金融が最後なのはそれが経済でいうと血液であり、重要産業だからである。
中国の場合、巨額の不良債権を国が買い取り、財務体質を強化した上で民営化をし、2006 年中に元国営企業群を上場させた。
ところでこのとこころのIPO はすべて元国営もしくはそれに準じた企業群となっている。
これは共産主義でほとんどの企業が国家もしくは地方政府による管理下であったから当然のことであろう。
開放経済の下で、中国は多くの外国系企業を誘致してきた。外国系企業の多くが、製造業である。そしてそのもとで地方政府が主体の下請企業、投資管理企業などが成長してきた。
現在の株式市場への上場企業を見ると、ほとんどがこうした国や地方政府関連の企業である。
この流れは2007 年もしばらくは続くことであろう。
一方で、上海、北京、深圳など地方の巨大経済圏が形作られてくるなかで、独自の資本と技術力で創業し成長してくる企業郡が現れ続けている。
どこの新興国を見てもわかるが、国が成長していくごとに『経済生態』が変化していく。
経済生態とは、産業や市場がどのような位置関係にあるか、お金と物や情報の流れの全体像である。どんな国でも持つ資源や世界的に競争力のある産業、人口構成などによって生じる需要などが違う。
投資やビジネスを考えるにあたって、経済生態とその変化の行方をじっくり分析する必要であることはいうまでもない。
中国について考えると、最初は国営の巨大企業の民営化や地方政府系企業によるコングロマリット化、外国企業の直接投資によって経済生態が成り立っていた。
現在各地の経済圏が巨大となり、新しい需要が次々とみ出されて 中国版の中堅中小企業郡が続々と誕生している。成長が著しい中国においては、激しい競争と同時に猛烈な地域間のギャップが生まれては消えている。激しい競争環境は米国流の弱肉強食を生み出している。
厳しい環境下の元にある企業ほど、イノベーションによる競争力の強化を怠らない。
日本においても欧米においても、産業のリーダーは最初はガレージで出発した企業が多いのはそのためである。
キャノン、ソニーにしても、アップルやマイクロソフトにしても創業時はガレージであった。
多くの投資家や経営者の方は、現状の常識の範囲の先で将来を予測する。私は常に『リーダーは常に辺境(フロンティエア)からやってくる』と申し上げている。
競争要因の変化=市場ニーズの変化や、新しいイノベーションの創出=によって勝者と敗者が入れ替わる。
企業競争では、現在の地位よりもいかに環境変化に対応した革新を生み出
せるかが、競争力の源泉である。
中国では、こうした真に競争力のある企業が生まれていくことであろう。
中国人は自己主張が激しいと言われる。そして独立心が旺盛である。
私も数回中国の地場産業に取材した経験がある。多くの場合は創業数年で、取引先と次々と開拓している。
先見の明のある米国系のベンチャーキャピタルの多くは、中国の成長エリアに進出して、盛んに投資を始めている。
通常企業が創業してから上場するのは3年~7年である。
現在続々と誕生している民間企業が真の実力を伴い、国内で有数の存在にいたるまではある程度の時間がかかるかもしれない。
木曜日, 4月 26, 2007
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