保税物流政策動向
浜田
①保税加工と保税物流に分けた保税業務の発展経緯
保税業務の監督管理は税関の主要業務の一つで、①保税加工 ②保税物流 という2つの体系を含んでいます。保税措置を保税区だけではなく、一般地域に所在する無数の工場に直接付与され、特殊な加工貿易政策の発展の中、転廠など物流多様化への対応が必須となっています。また、国際物流基地として港を発展させるため、国際物流企業を誘致するといった方針もあります。こういった背景によって保税区15箇所の設立後、その機能は①保税加工と②保税物流に区別されましたが、その内②保税物流に関する監督管理方法は各目的に特化した3段階の倉庫・区域に分かれ発展してきました。
第1段階は保税倉庫と輸出監督管理倉庫(監管倉庫)といった「2つの倉庫」の認可で、保税倉庫は自社貨物保管と、各荷主へのサービス提供による他社貨物保管の場合の認可に分かれます。一方、監管倉庫は輸出型と国内結転型に分かれます。保税倉庫は海外から国内へ輸入される貨物、監管倉庫は最終輸出予定の貨物専門の倉庫といってよく、海外⇔国内双方向機能には至っていません。
第2段階は保税物流中心A型(自社倉庫型と公共型)とB型(公共型)の認可となります。2つの倉庫の物流方向を合体させ、国内⇒センター⇒国内という物流を可能としています。但し、A型は輸出還付の実現が進んでいません。
第3段階は、区港連動物流園区で、従来の保税区で港がある全国8 箇所の地域に認可されています。
そして05年には保税加工・物流機能を改めて一体化した保税区港制度が上海の洋山港で施行され、07年3月には広東省の珠海・マカオ国境工業園区の関連制度が発布されています。蘇州シンガポール工業園では輸出加工区と物流中心B型に港機能を追加し、総合保税区として、6月末に合同験収が行なわれました。
②各保税倉庫・区域の特徴
保管貨物の範囲や可能な業務については、発展経緯が進むに従い既存機能に新機能が追加されていくと理解できます。
物流中心認可以降の特徴は、国内物流に属すると同時に海外貨物としての税収優遇を受けるという点、並びに、近く規制される可能性のある国内貨物の輸出再輸入が、正規に認められている点にあるといえます。
なお、各地の保税倉庫・区域は、自ら或いは通称で「~物流園区」「~物流中心」と呼ばれていますが、名称が規定上の定義を表すとは限らず、その認可された機能を全て運用しているか否かは各倉庫・区域に差がありますのでご留意ください。
〈保税倉庫〉
保税貨物及びその他税関手続き未終了の貨物を保管する倉庫で、税関総署の直轄税関である直属税関及び、地方政府が審査認可します。企業の自社貨物のみ保管する「自社使用倉庫」と、一般に保税倉庫サービスを提供し貨物の範囲と所有者が様々である「公共型倉庫」の区別があります。倉庫スペースの転貸や流通加工業務を行なえず、保管期限は原則1年です。保税中継貨物及び外国企業の臨時貨物の保管に加え、現在では非保税一般貿易貨物の保管が可能で、一般的には輸入VMI貨物に対応することができます。
〈輸出監管倉庫〉
輸出通関手続きが既に終了した貨物を保管する専用倉庫で、設立所在地は沿海地域の港という地域制限は取り消されました。設立には、主管税関の初審後、直属税関が審査認可します。輸出型と国内結転型に区別され、輸出型倉庫には搬入時の輸出還付申請が可能ですが、国内結転型倉庫貨物の輸入時に保税は認められません。保管中に流通加工業務を行なうため、梱包のための資材を海外から輸入し保管、集中通関機能を持つことが認められています。
〈保税物流中心〉
保税物流中心A/B型の制度は05年7月より正式に施行されました。認可について地域制限はなく、各地の物流需要のバランスを取って認可する方針があります。税関総署の審査認可後、A型は省級の、B型は総局の各関連機関による合同験収を経て運営可能となり、多国籍企業の物流配送が想定されています。
A型は自社用型、公用型に区別され、1社が経営し保税倉庫業務を展開します。B型は倉庫業務を行う企業が多く所在し、A型を結集させ税関が統括集中管理する区域です。
「2つの倉庫」貨物範囲を合わせた保管が可能、区内では流通加工を可能としていますが、製品のHSコードが変わる生産加工は認められず、検測、修理業務を行なえません。
〈保税物流園区〉(区港連動)
港湾区域の保税区に設置可能で、国務院の認可が必要です。保税物流中心の機能に加え、保税区同様の貿易機能と、輸出製品のアフターサービス検測、修理、また商品展示が可能です。生産加工は不可。園区への国内貨物搬入に際して増値税還付申請が認められます。園区内の貨物の所有者は倉庫賃貸契約を根拠として国内外で貨物代金を受領可能とする園区の外貨管理制度が規定されています。
〈洋山保税港区及び澳跨境工業区珠海園区〉
保税物流、貿易、加工機能を併せ持つ区域として認可されています。
輸出加工区と同様の税収政策を享受できます。即ち、国内貨物が搬入される時点で輸出と見なし、増値税還付を実行すると同時に、区内の貨物取引に対し増値税及び消費税を課税しません。また、区内企業が水・電気・ガス使用に課税される増値税についても輸出貨物に適用される輸出還付率に基づき還付されます。
火曜日, 9月 25, 2007
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