水曜日, 11月 29, 2006

中国労働法の要点

中国労働法の要点

 1994年7月5日に中国全国人民代表大会常務委員会で採択された「労働法」は新中国が成立して以来 労働関係を全面的に調整し 労働行為を規範化する最初の基本的法律であり、中国で投資経営する外国企業にとっても重要な法律となっている。

 法律の全体を理解するのは難しいかもしれない。ここ要点だけ絞って説明する。

中国労働法の要点

労働法は労使関係を決める合理的方策により内容を組み合わせ、労働者の権利と義務、労使関係の確立と調整、労働基準の制定と執行、労働行政部門の職責について明確に規定している。

労働法の基本的趣旨は、労働者の適法な権益を保護することにあり、これが労働法全体を一貫するメインラインである。企業の権利はすでに「企業法」、「会社法」(公司法)と「全人民所有制企業の経営メカニズムの転換に関する条例」などのものによって的確に保障されているので、労働法は労働者の権利保護を特に強調し憲法が定める労働権利を具体化するもの。

労働者の職業安定及び就業権が侵害を受けないことを保障すること

労働時間を短縮し、休息休暇を増し、年次有給休暇制度を確立すること

賃金の保障、つまり最低賃金基準、賃金の支払い、賃金の形式等の面から労働者の賃金収入に対し保障を与えること

社会保険と福祉の保障を行うことに関するものである。

労働法の核心は労働関係を調整することにある。最も革新的な部分は次のとおりである。

労働契約制度
これは労働制度改革の成功した経験を総括し、労働市場における労働者と企業の主体的地位を法律の形で確立する重大な改革措置である。労働法を公布し実施することにより、必ず労働契約制度の全面的な導入実施の足取りを大いに速め、社会主義市場経済のもとでの新しい労働関係と労働制度の確立のために法律の基礎をかためることになる。

雇用者による従業員解雇制度
中国では過失による解雇は別として、雇用者(企業側)が従業員に対し非過失による解雇ないし経済的理由による解雇を行うことを許すことは、従来よりの規定には一度も定めたことがない。これはあくまでも市場経済規則の要求に従い企業側に雇用の自主権を与え、国有企業の経営メカニズムの転換と近代的企業制度の確立のために制定したものである。

従業員の辞職制度
法律の形で労働者の職業選択の自主権を保障する。

労使協約
これは国際慣行を参考にして一部の企業における試行的改革の経験を総括し、労働行為における政府、組合と企業の「三者原則」を明確にし、平等協議と団体交渉を労働行為の規範に取り入れ、労働協約を労働関係調整の重要手段とし、労働契約締結の根拠とするために制定したものであり、「組合法」の関係規定の上での新機紬ともなっている。

労働法の重点は労働基準を制定することにある。特別な意義を持つのは次のとおりである。 

労働時間の基準であり、つまり一日の労働時間が8時間を超えず、週平均の労働時間が44時間を超えない。

休息休暇の基準であり、つまり週に少なくとも一日間休息し、元旦、旧暦正月、メーデー、国慶節を法定休日と定め、年次有 給休暇制度を実施する。

賃金の基準、つまり賃金水準を経済発展の基礎の上に徐々に引き上げ、企業は賃金を自主的に配分する権利を享有し、国は最低 賃金保障制度を実施する。

職業技能の基準、すなわち職業分類の基準、職業技能検定の基準などである。

労働法は労働行政部門の職責を定めている。つまり労働行政を主管し、雇用者が労働法律、法規を順守する状況の監督検査を行うと共に、労働行政執法職員の権限行使の監督も行う規定を設けている。

中国労働法の主要な特徴

労働法は労働体制改革の主要成果を具体化している。

労働関係を確立する場合における労働契約の締結の必要を法律の形で規定し、労働者の職業選択の自主権と企業の雇用の自主権を明確に与える。

市場経済の要求に適合し労働協約制度を確立する。

労働時間と休息休暇制度を基本的な法律の形で初めて明確に定める。

雇用者に法により賃金の配分方式と賃金の水準を自主的に決める権利を与える。

最低賃金保障制度を確立する。

国が職業分類を決め、職業技能の基準を制定し職業資格証書制度を実施することを明確にする。

社会保険制度の改革の成果を十分に認め、社会保険統一改革の方向を明確にする。その他労働就業、労働安全衛生、労働争議処理等の分野においてはこれまでの改革の成果と経験を吸収している。

 

労働法は法典形式の基本法であり、全面的かつ系統的な内容のものである。労働法は労働関係の調整と労働基準の確立と労働管理行為の規範化を、有機的かつ合理的に結びつけ、立法を一本化して法典としての特徴を明らかなものにしている。

適用対象が広い。 

企業の所有制別に法規を制定するという従来の立法方式を改めて、全ての企業に適用できるように法律をつくる。

このことは統一的な社会主義労働力市場の設立という客観的な要求に適合するとともに、所有制の違う企業のために同一の規準によって公正競争の条件をつくる。また労働市場の合理的な流動性の観点からも有利である。

 

労働法はマクロ的に指導する性格を有するとともに実施されるものである。労働法は現実を踏まえなすべきこと、かつ、努力しさえすれば実現可能であることについては比較的に詳しく具体的に規定している。例えば労働契約の締結、内容、期限、解除等について明確に規定する。 その一方では時期的には成熟してないが、発展の方向が正しいと立証されたことについては原則的に規定している。例えば労働協約に関する規定について指導的なことしか書いていない。

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